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「与謝野効果」鮮明に

3月10日の日経平均株価7021円を起点とする急反騰劇に面食らったのが売り方だ。30日、31日と株価は続落。しかし、売り方の動揺は収まっていない。

27日までの12営業日で、25・9%の上昇。大不況下での「まさかの暴騰」に対する売り方の動転と焦燥は察するに余りある。ぐいぐいと締め上げられ、火だるま状態の恐怖を味わったのだから。

前回の当欄(1月30日付)では、「超ブル相場出現か」とし、「いくら冷笑を浴びても、言うべきことは言わねばなるまい」「『100年に一度の危機的相場』の底に、いずれ『100年に一度の爆発高』を呼ぶマグマが潜んでいる」と書いた。

常識外れに映る、こうした強気説の根拠として、「急ピッチに進む生産・雇用調整による景気回復に向けた“地ならし”と、ヘッジファンドの待機資金を含む世界的な過剰流動性が重なる」相乗効果を挙げたが、この見方は2ヶ月たった今も何ら変わっていない。

3月半ば以降の株価反騰は超ブル相場の第1幕。短期的な調整を挟みながら、第2幕、第3幕へと舞台は回るだろう。

今回の株価反騰の要因としては、官民共同による金融機関の買い取り機関のスキーム(枠組み)をガイトナー米財務長官が24日に打ち出し、中国も大車輪の景気対策を進めるなど、海外での支援材料がクローズアップされているが、見逃せないのは「与謝野大臣効果」である。

危機意識と気迫

“もうろう会見”の責任を取って辞めた中川昭一氏の後任として経済財政担当相だった与謝野馨氏が財務・金融担当相も兼務することになったのは2月17日。当初、「異例の3相兼任では金融・経済危機乗り切りへ力を集中することは困難」とし、「あまり多くを期待できない」との声が株式関係者の間では多かった。

しかし、就任早々の19日夜の記者会見で「(経済の)底割れは絶対防がなきゃいけない」と語った与謝野氏は3月3日、株価低迷問題について「必要以上の上げ下げは看過することができない」と強調。これをきっかけに、マーケットの冷めた与謝野評は急速に変わり始める。

当然だろう。1990年代や2003年春にかけての大暴落局面では「株価は上がったり、下がったりするもの」とか、せいぜい「注意深く見守る」といった程度でお茶を濁すのが恒例だった首相や政府高官の当たり障りのない(実際には絶望的な)コメントとは違って、金融担当大臣が「看過することはできない」と、ズバッと言い切ったからである。危機感と気迫をマーケットは感じ取り、売り方も、売るに売れなくなった。

10日の参院予算委員会では小泉政権の経済政策に関し、「不況が来ないことを前提にした経済学で誤り」と断じ、同日の記者会見では、株安がもたらす信用収縮効果に対して「断固として立ち向かう」と決意を表明。10日以降、相場の流れが劇的に変わる動因となったことは間違いない。

24日、金融庁はカラ売り規制の期限を「3月末」から「7月末」へと4ヶ月延長。同日の会見で与謝野大臣は「(株価が)考えてきたことをやめる水準に戻っていない」と語り、株価対策を続行する構えだ。

移動平行線 上向く

さて、日経平均は25日移動平行線を3月13日に、75日線と100日線を23日にそれぞれ一気に上抜けた。100日線を上回ったのは昨年7月24日以来、8ヶ月ぶりだ。25日線は18日から、75日線と100日線は24〜25日以降、上向きに転じている。

一目均衡表の先行スパン上限は24日に突破。一目山人翁が「決しておろそかにしてはならない」として重要なポイントと位置づけた遅行スパンも好転した。先行きに対する市場の警戒ムードは根強いものの、「水先案内人」となる移動平均線から見る限り、相場の潮目は変わりつつある。信用需給も依然良好だ。

現状では暴論と思われるかもしれないが、チャート上、次の関門は200日線(3月30日現在、1万244円)。昨年6月6日に1万4601円まで上昇した際に「上昇の壁」として立ちはだかったラインに再びトライする可能性がある。

株式新聞:平成21年4月1日
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