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  トップページ > 記事・論文・講演 > 3メガバンク時代をどう考えるか?

党の進むべき道筋を示す「基本理念委員会」


3メガバンクの競争による発展を期待
      

 UFJグループと東京三菱グループの統合作業が進み、日本は3メガバンク時代に突入目前の状態にある。わずか10年前には10行以上もの大手行が割拠していた時の頃と比べるとまさに劇的な変化という他はないが、私はこの統合を三つの点から評価したい。
 
  本統合はUFJの財務基盤を大いに強化し、90年代後半以降ずっと日本を覆う暗雲であった金融システム不安に終止符を打つものとなる。日本経済はもはやバブル崩壊という過去に振り回されるのではなく、未来に向かって力強く前進できる基盤を手にしたと言えよう。
 
  次に、世界の有力金融機関の統合・メガバンク化が進む中で、強い金融グループが日本の中で出来上がって行くことは、世界との競争を考えると評価できよう。
 
  また、公的資金の注入を受け、政府の介入を受けることを良しとせず、民間同士の解決策をUFJの首脳が決断した姿勢も評価したい。自由主義経済である以上、民主導で取り組むことが基本であり、統合された新グループの発展に大いに期待したい。
 
  しかしながら、同時に2点指摘しておきたい。確かに大手10行などと言われていた時代の銀行数は多すぎたかもしれないが、3つのメガバンクよりも更に銀行再編を進めることには反対である。万一メガバンクが2つになるような事態となれば、競争も無くなるし、預金者や借りて企業にとって選択肢が無くなってしまう。私としてはむしろ3つのメガバンク以外の金融機関がその特色を生かし、メガバンクとはひと味もふた味も違う金融サービスを提供して欲しいと願っている。
 
 
金融セクターは日本経済の力を映す鏡
 
 
  また、経営者が変われば銀行経営が抜本的に変わることを期待する向きが一部にあることには強い違和感を覚える。銀行問題の要因として経営者の経営のまずさがあったことも事実であろうが、本質的には魅力ある貸し出し先が乏しかったことも忘れてはならない。魅力ある優良な貸し出し先が乏しかったことが、バブル期に銀行が不動産融資にのめり込んだことの一因であることは否定できない。バブル崩壊から10年以上たった今となっても、資金需要の旺盛なしっかりとした成長企業は残念ながら多くはない。貸し出し先企業が立派に成長するからこそ、金融セクターも成長して行ったのが過去の歴史である。
 
  このように金融セクターは実は日本経済の力を写す鏡とも言えよう。もちろん金融セクターの問題が日本経済の足を引っ張るようなことはあってはならないが、今回の統合によってこの点は手当ができる。今まさに問われているのは、どのように日本企業の成長力を取り戻し、日本経済の力を盛り返すのかという点であると信じている。このためには、技術開発、人材育成、新産業・新企業創出、戦略的通商政策など、国の総力を挙げて取り組むべき時である。


2004年9月20日毎日新聞朝刊

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