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> 都市再生の視点
後世に褒められる事業を〜居住環境の改善などが優先課題〜
「後世に褒められるものを都市再生事業で作り上げる必要がある」――。都市問題に詳しい、前衆議院議員の与謝野馨氏は、都市再生事業を進める上でのポイントをこう語る。政府の都市再生本部(本部長・小泉純一郎首相)はこれまで、2次にわたって都市再生プロジェクトを選定したほか、民間都市開発を促すための緊急措置、地方を含め都市再生として対応すべき重点分野などを取りまとめるなど、事業実施に向けた準備作業を進めている。国と地方の財政がひっ迫する中で、今後は、まずどの事業に着手するのかが大きな焦点となる。与謝野氏は「経済効率を最大限に高める分野に投資を重点化する必要がある」と指摘した上で、「事業実施はあくまで民間主導を前提とすべきだ」と強調する。
--都市再生の必要性をどのようにとらえているのか。
「わが国で生産されるハード・ソフト両面の富の圧倒的な部分は、東京をはじめとする都市部で生み出されている。決して農村部を軽んじているわけではないが、日本の活力の源泉である都市部に活力を与えることは、苦境にあえぐ日本経済にとって重要なことだと言える。わが国はこれだけ経済が発展しながら、都市生活者の住環境では残念ながら欧米先進諸国に肩を並べていない。都市で働く人の職住近接にも取り組む必要がある。都市部の住環境を向上させ都市生活者を増やすことで、都市の活力は高まるはずだ」
--国と地方の財政ひっ迫が都市再生事業の足かせになるのでは。
「都市再生事業を進める上では、限られた予算をどこに投資するかが大きな課題になる。現状の経済状況を踏まえると、経済効率が最大限に高められる分野に予算を重点投資するべきだろう。国、地方とも厳しい財政状況の中で投資をするだけに、慎重に議論を重ね、後世に褒められるものを都市再生事業で作り上げることが大切だ」
--都市再生事業を進める上での課題は。
「例えば東京都で事業を進める場合、国・都・23区が設けた建築規制が大きな障害になる。大胆な規制緩和に取り組むことが不可欠だ。モデル地区を選定して人や産業の集積度が高く、環境にも配慮した再開発事業を行うのも一つの手段だろう。また都市再生の事業手法としてPFI(民間資本主導の社会資本整備)方式の導入が議論されている。しかし、PFIはあくまで公共事業の一つの手法にすぎず、決して都市再生に直接つながることはない。都市再生事業の具体化は、『個人や企業の活動をどのように高めるか』に主眼を置くべきであり、あくまで民間主導が前提条件だ」
--都市再生に対する政府の取り組みをどう評価しているのか。
「公共投資を行う、基盤整備を進めるという際に都市のことを考え始めたのは、小泉内閣の大きな功績と言える。これまでも決して都市問題を軽んじていたわけではない。しかし、都市よりも地方を優先するという考えが、どこかにあったのではないか。小泉内閣はそろそろ具体的な成果を明示するべき時期に来ている。これまで積み重ねてきた構想を具体化し、それを実現するための仕事に取り組んでほしい」
--都市再生を具体化する上で民間業者に期待することは何か。
「都市再生を進める上では公的機関の役割も大切だが、実際の再開発などは民間主導で進めた方が手早い上に、事業の応用も期待できる。民間事業者のうちゼネコンは現在、各社とも苦しい経営を迫られている。しかし、彼らが持っている知識や経験、技術力は都市再生を実現する上で大きな力となる。今後の積極的な取り組みに期待している」
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