| 与謝野 |
私の"ロボットに対するイメージ"は、自動車工場で溶接している産業用ロボットと、手塚治虫の『鉄腕アトム』のように人間型ロボットという二つの姿があります。
例えば工場のロボットは、人間の機能だけを取り出したものですね。一方で最近は、ソニーが動物型の「アイボ」を出したり、ホンダのロボットが"二本足で歩く"姿を見て、ここまで来たんだなという感慨を持っているのですが、現在のロボット技術はどのくらい進んでいるのでしょうか。
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| 舘 |
まず、ロボットの歴史をひもときますと、昔から人間は、自分に代わっていろいろな仕事をしてくれるものが欲しいという夢を持っていました。古くは紀元前八世紀、ホメロスの『イリアス』という二十四段の叙事詩の中で、一つの段がロボットの記述にあてられています。
トロイヤ戦争のとき、アキレウスは友人パトロクロスが自分(アキレウス)の鎧を着て戦場に赴き、敵国のトロイの王子、へクトールに倒されてしまった。それで、アキレウスは弔い合戦のために一刻も早く戦場へ行こうと逸るのですが、女神である母のテティスが「一日も待てば新しい鎧ができる」と留めます。
テティスが、オリンポスすなわち天上へ鎧を誂えに鍛冶神へーパイストスの館を訪れると、そこにはたくさんの「オートマトン」−鼎…かなえ(三輪車)型のロボットが働いていました。へーパイストスはアキレウスの事情を知ると、20台の特殊な形をしたロボットに命令を下しました。それぞれ特技を持ったロボットたちは協調して作業を進め、瞬く間に鎧を作りました。へーパイストスは足萎えの神様なので、身の回りの世話をする黄金の少女ロボットを複数そばに置いていました。これはホームロボットです。
このように、この叙事詩には三種類のロボットの原型が出てきます。一つは、人間型ではないが、人に代わって力仕事や細かい作業をする、工場で動く産業用ロボットですね。これらは現在、実現されています。
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| 与謝野 |
足が不自由な神を助けるのは、介護ロボットですね。
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| 舘 |
館の中で世話をするー神は自分に似せて人間をつくったとされますから、究極は人間型ロボットでこれは現在研究中です。その中間に、車輪によって自由に動き回る自律ロボットがあり、現在ほぼ完成しています。そういう三種類のロボットが出てくるのは非常に意味深いですね。
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| 与謝野 |
現実に"機械仕掛け"のロボットが登場するのは、蒸気機関を発見した近代になってからですか。それとも、もっと古い時代から水車などの動力を利用していたのかな?
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| 舘 |
その時代々々の先端技術を使って、かなり昔から夢の実現に取り組んでいたようです。例えばその成果は、王侯貴族の献上品となりました。
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| 与謝野 |
ヨーロッパの鳩時計の伝統は、その流れですかね。
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| 舘 |
時計の精密技術の応用として、ペンでものを書くロボットがスイスに残っています。ただ、そういう系譜は、本当に仕事をするロボットではなく、今で言うアミューズメント系でしょう。ロボットが物を作り始めたのはつい最近の1960年からです。
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