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選挙制度改革 座談会  残された課題の解決に全力


「審議拒否」など野党側の理不尽な国会対応が国民の前にさらけ出された改正公職選挙法(衆院定数20削減)の採決から1ヶ月以上が過ぎた……。いまでは、あの暴挙は一体何だったのか?という気がしないでもないが、いまわが党の決断は国民に高く評価されている。そこで、同法の経緯と今後の選挙制度のあり方について野中広務幹事長代理、与謝野馨党選挙制度調査会長、桜井新衆院政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員長の三氏に話し合ってもらった。



【委員以外の議員が審議妨害】

野中広務幹事長代理: まず党の立場から、経緯をお話します。今回の衆議院議員定数是正は、一昨年7月の参議院選挙でわが党が敗れたことから始まったとも言える。金融不安の解決が急がれているなかで、参議院では野党党首が首班指名され、予算案も否決された。国政は停滞し、政治の崩壊の危機であった。こうした状況があって、スピーディな国会審議によって国家への国民の期待にこたえなくてはならないと考え、自由党との連立に至った。その連立合意のなかで、国家公務員の25%削減などを内容とする行政改革を決めたが、自由党の小沢党首が「国会議員も当然減らすべきだ」と主張、衆参の定数を削減するということになった。参議院は独自に削減を検討していたこともあり、衆議院を50削減するということから検討がスタート。その後、公明党との連立を視野に入れながら、小選挙区も含めて定数減を協議していくことになり、桜井先生の特別委員会にご審議いただくことになった。
 
桜井新委員長: 昨年秋の臨時国会で、三党からの提案を受けて私が委員長を仰せつかっていた特別委員会で審議に入ろうとしたが、野党の反対で、すべての委員会がストップしかねないというような状況になった。「公正・公平な審議を経て採決を……」と、8月13日まで誠心誠意努力したが、実質的な審議には入れない状態だった。賛成の立場の委員も「50削減は無理」と言い出し、「小選挙区と比例区で合計50の定数減」とすべきだが会期が短いことなどの理由から、影響の比較的小さい比例区の定数を20減らすということで、12月14日に採決することになった。「万機公論に決す」という下院のあり方を守って採決したのであって何の瑕疵(かし)もなかった。野党側は強行採決と言ったが、真実は委員以外の議員が審議妨害を行った。結局、本会議の採決には至らず、通常国会での審議に持ち越されたわけです。
 


【良識を疑う民主党の"変節"】

桜 井: 野党は「次の通常国会での冒頭で決着する」という言葉にこだわった。私は委員長として「まともに審議して、まともに結論を出すと約束してくれるなら、あなたたち野党のおっしゃる通りする」と言って、まず審議に入り採決は代表質問後という案を出した。これもだめだということで、26日に審議し、ギリギリで採決ということになった。国会の器物を破損し、ケガをさせるという野党の暴力は百年の国会の歴史に大きな汚点を残すものとなった。
通常国会では1月29日に採択されたが、この時には委員長の壇上まで登って妨害するということまではなく、採択を拒否して、退出する程度でした。
 
与謝野馨委員長: 私からは各党との協議の経緯をお話します。自由党は衆議院定数の50減ということをおっしゃっていたわけですが、他党の理解を得ていく過程のなかで、自民・自由・公明の3党は「比例20、小選挙区30」の削減という方向で固まっていったわけです。野党第一党の民主党はといえば、当初、50の削減に賛成を表明していたのですが、「比例の20減は賛成するが、小選挙区の30減は法案から落としてくれ」という主張をしていた。6党協議会の席上でも20減には賛成する趣旨の発言があった。私としては、小選挙区中心30議席の削減を棚上げした比例の20減案は民主党の希望を入れた案だという認識だった。ところが、民主党は国会審議では共産党に引きずられてしまった。挙げ句の果てには「もう一つの国会」を開いて総理の施政方針演説をもボイコットするという暴挙に出た。驚くべきことであり、民主党の良識を疑うほかなかった。
   
桜 井: そう。特に苦労したのは、与謝野先生が言ったように、民主党が対案(20削減)を示し、それを飲んだにもかかわらず共産党との共闘を優先、「反対」に回ってしまったことだ。
 


【比例区、補選の矛盾も改善】

与謝野: 法案が通った後の民主党の言動は議会人としてあるまじきもの・・・・・・。
 
桜 井: そう、大人げのない言動だった。
 
野 中: 昨年の臨時国会で共産党とともに「欠席戦術」を行った。従来、共産党は反対の法案でも反対のために委員会に出席した。しかし、それをねじ曲げてまで民主党と統一行動をする約束をし、暴挙につながってしまった。さらに、民主党は共産党を入れた野党の連合政権樹立という幻想まで抱くようになった。
 
与謝野: 民主党は発足時、「建設的な野党になる」ということを基本的な考え方として表明していたはずだ。しかし、今では「抵抗政党」というだけの存在になっていて昔の日本社会党の方がまだ理路整然としていたと思う。
 
野 中: 昨年の国旗・国家法案の審議で45対46というふうに採決で分裂したことは政党としての体を成していないことを如実に表している。
 
与謝野: ところで、選挙制度改革において残された課題を迅速に処理する必要があります。
まず小選挙区では落選したがブロック比例で復活するのはおかしい――という国民からの批判がある。そこで、三党と話し合い、「法定得票数に達しなかった人は、比例名簿に掲載されていても当選できない」との結論を得た。比例区は別の選挙であり、政党の議席数さえ確保できればいいのであって、法定得票数に達しなくて当選できなかったとしてもその下位順位の(法定得票数に達している)登載者を当選とすることでその党の議席数は確保できるわけですから問題ないと思う。 一方、補欠選挙についても問題が多く、4月と10月にまとめて行うこととした。また、ある党の純粋比例当選者が別の政党に移ることを制限する必要がある。さらに、衆院議員任期中に知事や市長選に出馬し、結果落選した場合、また元の小選挙区の補欠選挙に立候補できないことにした。つまり、自分が原因で行われる選挙に立候補することは信義に反するからです。また、選挙期間中に政党ビラ・パンフレットなどの頒布を理由に、メガホンなどで連呼することを禁止した。以上については次の総選挙に間に合うように処理をしていくつもりです。
 


【国政調査の結果踏まえて】


野 中: あと残っているのは、小選挙区の定数配分だが、今年の10月に国勢調査の結果を踏まえて新たな定数が確定されることとなるが・・・・・・。
 
与謝野: これは小選挙区が導入された背景には二大政党制の構築のためと言われたが、本当は野中先生が指摘したように、定数配分を人口に応じて適正に行うことが根本的な問題だ。
 
桜 井: 先ほど、与謝野先生が挙げた現行選挙制度の問題点を解決するために、特別委員会ではいつでも対処できる態勢にあります。一方、国政調査の結果による定数配分であるが、選挙制度全体で定数を減らしていくことはいいが、比例で減らすのかは慎重に検討すべきである。特に、過疎地の人の発言権が少なくならないように配慮すべきです。
 
与謝野: その配慮のためには、行政区を細分化する必要があるが、現行法では国政調査の結果をダイレクトに踏まえることになるので、その手法は取れない。
 
桜 井: しかし、市町村合併が進んだら、なおさら行政区を割らないと平等な選挙区を画定することなどできない。
 
野 中: 国会議員の選挙区より地方議員の選挙区のほうが大きいというのは問題であるし、議論しなければならないだろう。
 
与謝野: 世田谷区や足立区、大田区などは区が途中でちぎれている。野中先生の指摘のように根本的な問題として議論すべきだ。
 
桜 井: 一方、都市問題しかわからない議員が増えても困るので、地方の選挙区のあり方についても議論していく必要がある。
 
与謝野: 今後、こうした選挙区画定の問題を視野に入れた議論も行う必要が出てくるだろう。
 
野 中: 先ほど言ったように政府は国政調査に基づいて機械的にやらざるを得ない。したがって、これは政治が率先して議論すべき問題だ。
 


【連座制の疑問点も検討へ】

与謝野: ところで、きれいな選挙、選挙の廉潔性ですが、現行の連座制について、自分の全く力の及ばないところで起きたことにも責任が問われるのは問題ではないだろうか。将来の課題として、次の統一地方選挙をめどに検討していきたい。インターネット選挙についても、選挙期間中は違法文書図画の配布と見なされ、当然、FAX、電子メールなども禁止されているが、実際、桜井先生の委員会でもこれらの解釈について政府の公の見解を質すべきでしょう。
 
桜 井: 与党側からまず質問をし、見解を質していくべきだ。
 
野 中: 選挙制度については先生方の指摘した種々の問題がありますが、議会制度の発展に向け、わが党が率先して対処していくべきだと改めて痛感しました。本日はありがとうございました。
 

日本商工倶楽部「商工クラブ」 2001年9月7日
とみんウララビル3階会議室にて

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