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政策

2015年10月15日

政策雑感(2)

何故安保法は必要なのか。
日本の安全について、日本と米国の間には「安保条約」があり、簡単にいえば「米国は有事の際にはその軍事力を行使する。日本は基地を提供する。」いう構造になっている。

その米国の事情はどうなっているのだろうか。
一言で言ってしまえば「米国は忙しすぎる。」であるからその余力は弱くなっている。ざっと考えると米国が直面している問題は世界全体に及んでいるため、世界に対して持っている警察的能力は限界に近いと言っても言い過ぎではないと思う。

少しリストアップをすれば、北朝鮮の核・ミサイルの問題。中国の太平洋に於ける覇権的な行動。中近東の諸問題、ウクライナに対するロシアの問題、などなどである。お金の面でも、人員の面でも、また国民感情の面でも、米国はギリギリの努力をしていると考えている。日本人はなにか、日本が安全保障上の問題に直面したら、米国は全面的に支持してくれると心の底から期待している。米国も条約上の義務感、またアジアの安全のため全力をつくしてくれると思う。事実はそんなに簡単ではない。

理由を挙げると、
1、日本の地位はソ連が強力なときはその地理的条件等から大変高いものであった。日本はソ連の太平洋進出を食い止める絶好の地理的位置にあった。ロシアの時代になって、中古の航空母艦を中国に売り飛ばすなどに象徴されるように、昔の時代とは様変りである。従って日本の地位は米国の政府の中では下がってしまっている。
1、米国が今アジアに関して持っている重大関心事は、北朝鮮の核、そして米国の西海岸まで届くかもしれないミサイル開発、中国の南太平洋での許しがたい行動、中国の核、ミサイル、(数を減らすといっているが 200万人をゆうに超える兵員)、増大する軍事予算。
1、前にもふれたがオバマ大統領一人でこなすには多すぎる課題。
1、まだまだ挙げれば幾つもある。

私が申し上げたいのは、米国は善意で行動してくれるであろうが、やはり手助けが必要になって来ている。
国連も同じで国連軍が常設されていない現状では、PKO活動が精一杯である。従って今回成立した安保法の本質は米国の立場を強化することによって、日米安保条約が本来の目的通りの効果を持てるようにする。
同時に国際貢献として、国連が決めたことにできる限り協力できる法的な整備を行ったと考える。
安倍総理が答弁している「安全保障環境の変化」ということには、言外に米国の立場を日本なりに強化するという意味を含んでいる。

次回は北朝鮮の脅威とは何かについて私の考えを述べたい。

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